ゼオライトについて
天然のゼオライトは、火山活動によって降り積もった火山灰が、約500万年から1000万年の長い年月の地殻変動によって生成されたアルミノ珪酸塩鉱物の総称で、結晶中に空洞を数多くもつ多孔質の物質です。
主成分は珪素(二酸化珪素)で、下痢止めなどの胃腸薬や食品添加物にも使われています。
ゼオライトを加熱すると、空洞の中に取り込まれていた結晶水が膨張し、水蒸気を出して沸騰するように見えることから、ギリシャ語の「zeo(沸騰する)」と「Lithos(石)」をあわせて、zeoliteと名づけられました。
日本名は「沸石」といい、陶磁器の原料となる長石類の仲間です。
ゼオライトは、構造により52種類以上発見されています。天然ゼオライト資源としては、次の2つに分けられます。モルデナイト沸石クリノプチロル沸石※当社のゼオライトは、クリノプチロル沸石と判定されています。天然ゼオライトは、オングストローム(angstrom:1億分の1cm)という、ごく微小の連続した空洞のある立体網目構造(ハニカム構造)をしています。
この空洞の中に、結晶水が水分子として取り込まれます。加熱などにより水分を失っても、ゼオライトの構造は破壊されず、結晶水のあったところは空洞のまま残り、スポンジや海綿のような構造になります。この空洞に再びガスや水分を強力に吸着させるという特性があります。
ゼオライトを空気中に放置したり、水分と接触させたりすると、簡単に吸着して、結晶水を復元する性質があります。この水の吸着は単純な物理吸着でないため、きわめて強い吸着力を持ち、活性炭の30倍ともいわれています。
室内の湿度コントロール
ゼオライトは、周囲の環境によって、水分を吸ったり吐いたりと呼吸をくり返しながら湿度を調節します。このゼオライトを壁材・壁紙などに混ぜることによって、湿度を一定に保つことができます。
ゼオライトの中の陽イオンは、水溶液の中で異なった陽イオンと接すると、交換する性質があります。この塩基の置き換わる作用が塩基交換能(陽イオン交換能)で、塩基能の大きさは塩基置換容量(C.E.C:Cation Exchange Capacity)で表わされます。
これは、陽イオン交換容量とも呼ばれ、磁石のようにマグネシウム・窒素・カリウム・ナトリウム・カルシウムなどの陽イオンを保持したり、離したりする力です。
とくに、ゼオライトの塩基交換容量は、pHなどの周囲の環境に左右されずに、長期間その力を保持する「永久荷電」という特性があります。
■硬水を軟水に
汗などに含まれるカルシウムのために「硬水」に近い状態になる洗濯槽の水をナトリウムを含むゼオライトを洗剤に加えることで、イオン交換により「軟水」とすることができます。これにより、洗剤の能力低下を防ぐことができます。
■水道水をミネラルウォーターに
ゼオライトには、水道水に含まれる人工化合物を除去し、ミネラルバランスのよい、まろやかなおいしい水に浄化する力があります。
当社のゼオライトは、昭和50年11月に発見・産出されました。
当社で扱っているゼオライトは、硬質のクリノプチロル沸石(天然硬質ゼオライト)で、北海道余市郡仁木町砥の川で採掘しており、粉砕から製品化までのラインをすべて全自動化した生産工場が白老町森野にあります。
天然硬質ゼオライトの優れた特性
含水率5%以下で出荷します。 これにより、たとえば牛舎の牛床などでの糞尿処理時、ゼオライトが糞尿を吸水し、牛床の乾きを促します。 多孔質な空間により、水分を吸着する際に、細菌も一緒に取り込むため繁殖がおこりづらい環境を作り出します。
アンモニアは99%吸着するので、臭気対策には他の製品以上に効果が期待されます。
CEC の数値が高いということは、少ない量で窒素・リン・カリなど多くの肥料成分となる物質をが土壌へ流失するのを防ぎ高品質の堆肥を作ることができます。 当社のゼオライトは、「保持する力」「においを取る力」が高いということが言えます。
牛舎で、大腸菌などの繁殖を抑制しますので、清潔な環境を維持します。
天然硬質ゼオライトの様々な用途
・土壌改良資材 ・消臭剤 ・床下調湿材 ・アンモニア脱臭 ・ガーデニング資材 ・においの低減 ・路面滑り止め剤 ・原子力排水処理剤 ・工業関連処理剤 ・洗剤(クレンザー) ・鮮度維持及び腐敗防止剤 ・融雪剤 ・公害処理剤 ・水産汚水処理剤 ・水質処理剤 ・野外用ペットの脱臭利用 ・生ごみ用脱臭剤
OEM 開発・共同開発のパートナー募集
当社ゼオライトを使用した製品開発のパートナー企業様を広く募集しております。ゼオライトの機能を活用したオリジナル製品の開発については、弊社までお問い合わせください。
鉱 床
所在地 | 北海道余市郡仁木町砥の川 |
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鉱 量
現採掘場区域 | 1,500千t |
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予定採掘場区域 | 15,000千t |
実収鉱量 | 16,500千t |
品 位
種 類 | クリノプチロル系 |
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岩 質 | 硬 質 |
イオン濃度(pH) | 8.5 ~ 9.3 |
塩基置換容量(C.E.C)の分析
計量項目 | 計量単位 | 計量結果 | 計量方法 |
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塩基置換容量(CEC) | cmolc/kg | 190 | 土壌環境分析法V.6.A |
備考:計量単位は、乾燥試料当りのものである。 水分5.3%
※クリノプチロル系の純度100%の塩基置換容量は213meq/100gが理論値といわれており、当社のゼオライトは89.2%と純度の高いものであります。
成分分析
分析項目 | 測定値(wt%) | 分析方法 | 定量下限 |
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二酸化けい素(SiO2) | 69.5 | 肥料分析方法 4.4.2 | 0.1 |
リン酸(P2O5) | 0.02 | 肥料分析方法 4.2.3 | 0.01 |
カリウム(K2O) | 0.74 | 肥料分析方法 4.3.3 | 0.01 |
カルシウム(CaO) | 2.1 | 肥料分析方法 4.5.1.2 | 0.01 |
マグネシウム(MgO) | 0.55 | 肥料分析方法 4.6.2 | 0.01 |
マンガン(Mn) | 0.01 | 肥料分析法 7.5 | 0.01 |
酸化鉄(Fe2O3) | 0.69 | 0.01 | |
酸化アルミニウム(Al2O3) | 10.3 | 0.01 | |
酸化ナトリウム(Na2O) | 2.5 | 肥料分析方法 4.3.3 | 0.01 |
土壌環境基準に係わる項目の分析
計量項目 | 計量単位 | 計量結果 | 計量方法 | 基準値 |
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カドミウム | mg/1 | 0.001 未満 | JIS K 0102 55.2 | 検液1Lにつき0.01mg以下 |
鉛 | mg/1 | 0.004 | JIS K 0102 54.2 | 検液1Lにつき0.01mg以下 |
砒素 | mg/1 | 0.001 未満 | JIS K 0102 61.3 | 検液1Lにつき0.01mg以下 |
総水銀 | mg/1 | 0.001 未満 | 昭和46環告59付表1 | 検液1Lにつき0.0005mg以下 |
備考:検液の作成方法は、「平成3年8月23日環境庁告示第46号」による。 「昭和46環告59」とは、昭和46年12月28日環境庁告示第59号を示す。
当社のゼオライト原石は、北海道の余市郡仁木町砥の川で採掘しています。 推定16,500千tが採掘可能です。
現在、採掘の権利を確保している区域の鉱量を計算するにあたり、地表および地下調査を行って分析した結果、品位は優秀でばらつきがなく、均一にゼオライトが含有されていることが確認されております。
生産工場は北海道白老郡白老町森野にあります。キルン1基で、時間当たり1tの生産が可能です。粉砕から製品化までのすべてのラインは、全自動となっています。